本学科の教員がおすすめする認知科学・情報科学に関する本やWebサイトをご紹介します。
(2023年12月27日更新)
日本認知科学会(監修),「認知科学のススメ」シリーズ,新曜社,2016~
1.はじめての認知科学
認知科学の入門としてわかりやすいのではないかと思います(「はじめての認知科学」以外にもシリーズでたくさんあります)。
瀬名秀明ほか,知能の謎―認知発達ロボティクスの挑戦,ブルーバックス,講談社,2004.
「知能」「賢さ」とは何かをロボット研究を通じて探ろうとする話です。今となっては古い本ですが、内容的には今でも通用するのではと思います。
Felienne Hermans (著), 水野貴明, 水野いずみ (翻訳),プログラマー脳 ~優れたプログラマーになるための認知科学に基づくアプローチ,秀和システム,2023
プログラミング教育について研究している著者が,プログラムを読み書きする際に起こる「?」について,その理由や「?」がなく読み書きできる人(熟達者)の考え方,「?」をなくすための方法などを,認知科学の知見にもとづいて説明しています.
プログラミングの経験がある人にとっては,「目からウロコ」な情報が盛りだくさんの本です.
キャロル・ヴォーダマン (著),山崎 正浩 (翻訳),イラストで学ぶスタディスキル図鑑 : 自ら学習する力をつける,創元社
記憶の仕組みなど、ちょいちょい認知科学の知見が紹介されています
ヤナ ワインスタイン (著)ほか,認知心理学者が教える最適の学習法: ビジュアルガイドブック,東京書籍
上に挙げた本よりは難しいかもしれませんが、認知科学や認知心理学を学習に応用しています
中谷 宇吉郎 (著)「科学の方法」 岩波新書 青版 313,岩波書店
世の中で行われている科学とはなにか,根本的な部分の解説です
川村 秀憲 (著) ほか「人工知能が俳句を詠む: AI一茶くんの挑戦」オーム社
俳句を詠むという特色を持ったAIの仕組みや歴史の解説があります
ジョージ・ザルカダキス (著)「AIは「心」を持てるのか」日経BP
人工物に心を与える取り組みの歴史や技術が紹介されています
ジュリオ・トノーニ (著)ほか「意識はいつ生まれるのか―脳の謎に挑む統合情報理論」亜紀書房
意識が発生するタイミングを定量的に捉えようとする理論の紹介です
※眞部先生もお勧めしています!
鳥海 不二夫 (著),強いAI・弱いAI 研究者に聞く人工知能の実像,丸善出版,2017/10/26
ノーバート・ウィーナー (著), 池原 止戈夫 , 彌永 昌吉 , 室賀 三郎 , 戸田 巌 (訳), サイバネティックス――動物と機械における制御と通信,岩波書店,2011/06/17
D.O.ヘッブ (著), 鹿取 廣人, 金城 辰夫, 鈴木 光太郎, 鳥居 修晃 , 渡邊 正孝(訳),行動の機構――脳メカニズムから心理学へ(上), 岩波書店,2011/04/16
D.O.ヘッブ (著), 鹿取 廣人, 金城 辰夫, 鈴木 光太郎, 鳥居 修晃, 渡邊 正孝 (訳),行動の機構――脳メカニズムから心理学へ(下), 岩波書店, 2011/05/18
お勧め本にSF小説やら,漫画,映画を入れても良いのであれば・・・
攻殻機動隊(漫画,映画)シリーズ
J.P.ホーガン,未来の二つの顔,東京創元社,1994
神林長平,言壺,中央公論社,1994(文庫は現在,早川書房から出てます)
ブルース・スターリング,「招き猫」,短編集「タクラマカン」収録,早川書房,2001
グレッグ・イーガン,「ぼくになることを」,短編集「祈りの海」収録,早川書房,2000
【プログラミング教材関連の推薦書】
世界標準MIT教科書 Python言語によるプログラミングイントロダクション第3版 計算モデリングとデータサイエンスの応用とともに,John V. Guttag (著), 麻生敏正ほか(翻訳),近代科学社,2023
藤田コメント「この内容が一年生前期の水準となる見込み」
12歳からはじめる ゼロからの Pythonゲームプログラミング教室,大槻有一郎 (著), リブロワークスPython部 (著),ラトルズ,2017
藤田コメント「本当にプログラミングが初めての人に限る」
入門Python3 第2版,Bill Lubanovic(著),鈴木駿(監訳),長尾高弘(訳),オライリー・ジャパン,2021
藤田コメント「一度は授業などでプログラミングしたことある人以上」
きれいなPythonプログラミング クリーンなコードを書くための最適な方法,AI Sweigart(著),岡田祐一(訳),マイナビ出版,2022
藤田コメント「プログラミング経験者向け」
退屈なことはPythonにやらせよう 第2版 ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング,AI Sweighart(著),相川愛三(訳),2023
藤田コメント「プログラミング経験者向け」
人工知能・認知科学に関するブルーバックス,新書,文庫
・金丸 隆志,高校数学からはじめるディープラーニング〜初歩からわかる人工知能が働くしくみ〜,講談社ブルーバックス
・甘利 俊一 脳・心・人工知能〜数理で脳を解き明かす〜,講談社ブルーバックス
・小野田 博一 人工知能はいかにして強くなるのか?〜対戦型AIで学ぶ基本のしくみ〜,講談社ブルーバックス
・三宅 陽一郎 , 山本 貴光,高校生のための ゲームで考える人工知能,ちくまプリマー新書
・西垣通,こころの情報学 ,ちくま新書
・西垣通,集合知とは何か〜ネット時代の「知」のゆくえ ,中公新書
・西垣通,ビッグデータと人工知能 〜可能性と罠を見極める,中公新書
・西垣通,ネットとリアルのあいだ〜生きるための情報学 ,ちくまプリマー新書
・西垣通,超デジタル世界〜DX,メタバースのゆくえ ,岩波新書
・茂木健一郎,脳とクオリア〜なぜ脳に心が生まれるのか,講談社学術文庫
・茂木 健一郎,意識とはなにか,ちくま新書
・茂木健一郎,クオリアと人工意識,講談社現代新書
・下條信輔,「意識」とは何だろうか―脳の来歴、知覚の錯誤 ,講談社現代新書
・下條信輔,サブリミナル・マインド 潜在的人間観のゆくえ,中公新書
・下條信輔,サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 ,ちくま新書
・佐々木正人,アフォーダンス入門〜知性はどこに生まれるか,講談社学術文庫
・安西 祐一郎,問題解決の心理学―人間の時代への発想,中公新書
人工知能・認知科学に関するWebサイト
・ledge.ai(AIニュースまとめサイト)
・AINOW(AIニュースまとめサイト)
・マッチ箱の脳ウェブ版(ほぼ日刊イトイ新聞の連載,古いけどわかりやすい)
https://www.1101.com/morikawa/index_AI.html
・GIGAZINE(IT系専門サイトじゃないけど面白いネタあり)
・TED(科学技術の様々なプレゼンテーションが聞けます.英語の勉強にもなります)
「自律システムの認知メカニズム」「新しい機械学習メカニズム」「プログラムに意識を宿らせることは可能か?」等について考えるヒントをくれる本
・中島秀之:知能の物語,公立はこだて未来大学出版会
・ロルフ・ファイファー他:知の創成ー身体性認知科学への招待,共立出版
・ロルフ・ファイファー他:知能の原理ー身体性に基づく構成論的アプローチ―,共立出版
・岡田美智男他(編集):身体性とコンピュータ,共立出版
・谷口忠大:記号創発ロボティクスー知能のメカニズム入門,講談社
・谷口忠大:コミュニケーションするロボットは創れるかー記号創発システムへの構成論的アプローチ,NTT出版
・谷口忠大:心を知るための人工知能ー認知科学としての記号創発ロボティクス,共立出版
・谷口忠大他(編):未来社会と「意味」の境界ー記号創発システム論/ネオ・サイバネティクス/プラグマティズム,勁草書房
・金井良太:AIに意識は生まれるか,イースト・プレス
・土谷尚嗣:クオリアはどこからくるのか?ー統合情報理論のその先へ,岩波書店
・アントニオ・ダマシオ:ダマシオ教授の教養としての「意識」ー機械が到達できない最後の人間性,ダイヤモンド社
・デニス・プロフィット他:なぜ世界はそう見えるのか:主観と知覚の科学,白揚社
・ジュリオ・トノーニ他:意識はいつ生まれるのかー脳の謎に挑む統合情報理論,亜紀書房
※上記は多胡先生もお勧めしています!
・マイケル・グラツィアーノ他:意識はなぜ生まれたかーその起源から人工意識まで,白揚社
・ヴェロニカ・オキーン他:記憶は実在するかーナラティブの脳科学,筑摩書房
邑本 俊亮 (著),言葉とコミュニケーション: 心理学を日常に活かす,2022,朝倉書店
ことばや対人コミュニケーションに関わる心理学的なトピックスを手軽にまとめてくれている良書です.日常生活にも活かせるような要素が整理されて示されています
https://www.amazon.co.jp/dp/4254520336
池谷 裕二 (著),自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80(ブルーバックス),2016,講談社
いわゆる認知バイアスについて楽しく読めます.思考や判断,学習といったことにかかわるこころのふしぎを体験できます
https://www.amazon.co.jp/dp/4062579537
William Lidwell (著), Kritina Holden (著), Jill Butler (著), 郷司陽子 (翻訳),Design Rule Index 要点で学ぶ、デザインの法則150,2015,ビー・エヌ・エヌ新社
ぱっと見開きで,デザインの面から見た「ものの見方」にどんな認知・心理の影響があるかを見られます
https://www.amazon.co.jp/dp/4861009782
今井むつみ (著), 秋田喜美 (著),言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか,2023,中央公論新社
「ことばの発達・学習」と「オノマトペの獲得」を手掛かりに,ことばのふしぎから「知性」について理解を深められます
https://www.amazon.co.jp/dp/4121027566
安原和也(著),小説風「認知言語学入門」,2022,大学教育出版
認知言語学は言語学の一分野で,「ことば」をユニークなとらえ方で分析していきます.「小説風」とあるように,大学の学生や先生になったつもりで入門的な「認知言語学」の雰囲気を感じることができます
https://www.amazon.co.jp/dp/4866921730
D. A. ノーマン (著), 岡本明 (翻訳), 安村通晃 (翻訳), 伊賀聡一郎 (翻訳), 野島久雄 (翻訳),誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論,2015,新曜社
認知科学とインタフェースのつながりを示すバイブルのような書籍.アプリなどの使い心地を決めるUIにも関わる知見を認知科学の観点から眺めなおすための指針がわかります
https://www.amazon.co.jp/dp/4092534647